明けましておめでとうございます。
我が国、我が日本国民にとって今年は格別の一年であります。今上天皇陛下の御譲位により、「平成」の御代に別れを告げ、来る5月1日には「新・元号」となります。「元号」で思い出すのは、日本の歴史の上で、定められてきました“元号”は、実は、法律的な定めがないまま、慣習として永年、使用されてきた時期がありました。その法律が国会で「元号法」として成立したのは昭和54年、実に今から40年前のことでありました。 因みに、私達にとりまして、当たり前となっている国旗 “日の丸”と国歌 “君が代”についても、「国旗・国歌法案」として制定されたのは、今から遡ること20年前、平成11年の事であったのです。それでは、我が国の建国の起源に想いを馳せる「建国の記念日」は、いつ制定されたのでしょうか。学生諸君や若者が初めて知ったときは、きっと驚くことでありましょう。
この事に関しては、「国家の極めて重要なことが、軽んじられてきた。」と感じる人の多いかもしれませんし、一方では「権力で押し付けるべきものではない。」、「政治の怠慢であった。」と憤慨する者もいるかと思います。しかしながら、その解釈は、それぞれ、今の感覚による解釈であります。そういう要素も、一部否めない側面があるかもしれませんが、歴史を振り返る時は、“今”を起点で過去を判断すると、往々にして“歴史を裁く”事になりかねません。
我々の先達は、常に歴代の天皇陛下と共に在り、日の丸に誇りを持ち、君が代を高らかに歌い、はるかに神武天皇による邦(くに)のはじまりに 思いを馳せて参りました。そこには、民族文化に裏打ちされた“伝統の継承"という、「”祈り“と”祭り“の共同体」としての伝承が今日まで営々と引き継がれてきたのです。それらを社会規範として脈々として息付いてきた、ある意味、“法” をはるかにこえて日本人の心の中に存在してきた「精神文化としての資産価値」が、永き時代を経ても尚、”法的存在”を超えて存在してきた現実に目を向けて見る時だと思えてなりません。「法の支配」はその規律を犯した時に初めて有効性を発揮します。従って、永らく引き継がれてきた伝統・伝承の文化は、その上位にあるものと理解することができるのではないでしょうか。そこに私達は「叡智ある慣習」の重みを感じるものであります。
一方、安倍政権で政治課題となっている「憲法改正」はそれらの問題とは、異質な次元の問題として明確に仕訳する必要があります。それは、“憲法” という「国家の基本法」そのものの ”あるべき姿“ の論議に成ります。現在の日本国憲法は、大東亜戦争終結後、いわゆる、“戦後”、戦勝国アメリカの占領下において、極めて日本政府の自由意志の裁量を制限された中、占領軍の管理下において準備が進められ制定されました。占領政策の主眼は、日本の伝統の破壊であり、文化・武道の否定であり、日本人としての誇りを放棄させる事に在りました。とりわけ占領軍が打ち出した容共主義により、西洋的価値観による二極対立、支配する者とされる者の構図の中で、企業の労使の対立、大学紛争、とりわけ、日教組の徹底した反体制教育は、国民の精神的分断を招き、独立国家として、深刻な状況を招来しました。いわば、日本なるものの弱体化を進めたアメリカの占領政策は、世界中の占領地の中でも極めて空前の成功を収めた事例と言えるのではないでしょうか。あれから73年、アメリカは改めて「日本に対する占領政策は完璧に成功を収めた。」と宣言し、その“理由-占領の本質的意味とその諸施策の実行結果”を明確に提示して頂きたいと思います。
その中の一つに、「日本国憲法」の制定があげられることは容易に推察されます。今、新聞紙上はじめマスコミで取り上げられている話題は、もっぱら,憲法第何条を改正するか、或いは、自衛隊を明記することの是非についてであります。これは、一面から見ると当然の事ではありますが、実は、冷静に憲法を読み始めますと、その前文から、無国籍的な違和感を感じてきます。現在は、すぐに情報を検索できる時代ですから、敢えてここにこの前文を引用することは控えたいと思いますが、一般的な概念としては、理解できたとしても、日本が文化国家としてその想いを謳いあげ、国を代表する方々によって、おおよそ、日本語の品格ある表現として提示されたものとは言い難い、実にぎこちない“英製和語 (和製英語の真逆) "が散見される事に気付かれることと思います。
一般的には、戦後、永らく“憲法は人類の理想を謳った。”、“人類普遍の原理である。” と評価する声もあったことは事実です。しかしながら、この憲法は、誰のものでもない、日本国のため、日本人のものである事を明らかにしておかねばなりません;。それ故に、日本国憲法 “前文の改訂”から進めることが重要であると考える訳であります。
もちろん整備されなければならないものも沢山あります。まずは、「国家緊急事態法」でしょう。自衛隊の問題もその一環で対応する。そして、身近な「家族の保護」、そして近年、とみに重要度を増した土地や水問題も含めた「環境保善.保護」も緊急課題のひとつかと思います。これらは、新しい御世に相応しく、国民挙げて新しい憲法の制定に導き、新しい時代の始まりを宣言したいと思っています。
この新年は、格別の年の始まりの「刻(とき)」です。皆様と共に大いに寿ぎ、厳粛な中に新たなる覚悟をもって臨みたいと思います。
平成31年元旦
一般社団法人 地域企業連合会 九州連携機構
会長 小早川 明德
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