代表者挨拶

代表 小早川 明德

令和三年(2021)新年のご挨拶

“No going back, Give it a try”

 明けましておめでとうございます。コロナ災禍に明け暮れた年にも多くの変化と進展と学びがあり、トンネルの向こうには、“ニューノーマル”という新たな景色とともに“我々が目指すべき未来の姿”から『「今」何をなすべきかを問う』という新たなる未来の描き方が明確になってまいりました。まさに、新年は、皆様方にとりまして、「創りたい社会、描きたい未来」を浮き彫りにし 、その実現に向けた第一歩を踏み出す記念すべき一年となることを祈念いたしております。
ある意味、今回のコロナ災禍は、我々の身近な生活に迫り来る“罹患(りかん)の恐怖”に晒されて、各々には、何が大事で何を第一義にやるべきかの判断と選択を常に迫り続けてきました。そんな中で、“経験的常識”や“惰性的習慣”の上に永年を経て存在していた幾多の“思い込み”障璧は「生存の危機」という、ひたひたと迫りくる緊急事態故をもって敢え無く破壊され、我々に改めて新しい時代における物事の道理と優先すべき課題をわかり易く示唆してくれたのです。
ステイホームによる家族の絆の深まり、コロナが直撃した離職者や学生,中小企業への支援問題、不況業種でのワークシェアー、医療崩壊の危機–即ち医師看護師不足、迫られた遠隔治療、院内感染防止のストレス等の医療問題。在宅勤務におけるリモートワークの浸透、膨大な書類のペーパレス,データ化などの、政府が提案した“働き方改革”、“規制改革”、“デジタル改革”への国民の課題共有の機会となりました。
この主要課題については、官民のみならず,教育現場や文化スポーツ分野にも及び,今回の“コロナ災禍”によって抉(えぐ)り出され、その問題点が明らかになったばかりではなく、すでに、予想された改革以上の成果に匹敵する状況を、“コロナ災禍”自体がその解決の糸口たる環境をもたらした現実は、誰の目にも明々白々となりました。
しかし,このコロナ災禍の混屯の世にも「時は人を待たず」。 ITの劇的な進化と相俟って,AI:IOT: FinTechによる新産業革命が見せる次の世代の新価値創造と新生に向かう世界秩序。新しい時代は、アジア、とりわけ広大な中国の社会主義体制下における中華思想と西欧のキリスト教文化、アラブ世界のイスラム文化、日本の神道文化のせめぎ合いの中で展開されていくなかにあって、我が国の努めるべき役割は果てしなく大きい。
一方では、環境・医療・食料・安全・情報・金融・国防など多分野で“世界化”が進む中で,「人間生命」を守る砦は、最終的に“国家生命体”であり、政治の要諦も究極、第一義には「国民生命を守る」ことにあることも浮き彫りにされたのです。それらの課題に対して,極めて,自国を中心とする国家間、あるいは、国家単位の生存を賭けた本質的対応が迫られている現実からは目を逸らすことができないと思っています。
さて、AIEは、昨年、皆様の深いご理解とご支援のもと、ここ数年の念願の課題でありました組織の再編を果たし次なる展望を描き新たな歩みをはじめました。もともと、『風を起こそう。企業へ地域へ、そして、国の未来へ』を合言葉に『人を活かし、地域を活かし、国家(くに)のあるべき姿を求めて歩く』という設立のミッションを果たすべく「令和新時代」にふさわしい対応を成すためにも、世代交代による時代に先駆けた組織再編を目指しましたが人選に至らず、大きくは、「東京連携事業」と「企画事業部門」の高齢者、地域、文化、環境、国際分野などを継続することとし、18団体の組織運営受託部門を他機関団体へ移管し、事業の集中と選択による再編をいたしました。今後は、東京連携機構の事業展開を中心軸に据えて国家的課題とその関連の事業、即ち、国創りのための社会事業、国創りのための地域事業、国創りのための文化事業、国創りのための国際事業に汗をかいていきたいと考えています。皆様のご指導とご支援をよろしくお願い申し上げ新年のご挨拶といたします。

令和三年元旦

一般社団法人 地域企業連合会

会長 小早川 明德

→代表者挨拶 バックナンバー