代表者挨拶

代表 小早川 明德

令和四年(2022)新年のご挨拶

ーこの地球への感謝とともに、‘’もの‘’と‘’こと‘’の本質を考えるー

 岸田政権は発足早々、総選挙の洗礼を受け、新しい国会の勢力図が確定し、内閣では茂木外務大臣が自民党幹事長への就任に伴い、参議院から衆議院へ鞍替えした林芳正氏が、外務大臣へ登用された。選挙戦を通じて考えさせられたのは、責任政党の‘’自民党‘’さえ、‘’耳障りの良い‘’政策、群衆へのリップサービスが目立つ。自民党は、責任政党として、堂々と真正面から自分の主張に理解を求めることが、なぜ、できないのか、との疑念を深めたものである。
安倍政権の金字塔は、景気経済と安保外交。惜しむらくは、安倍政権の悲願と言われた「憲法改正」。我が国の中心軸の‘’国家基本法‘’の見直しについては、良識ある国民の期待に反して、先延ばしし改正のタイミングを失した。安定多数下の総理在任中の最大の歴史的痛恨事であったが、退任後の安倍氏からは、痛切な反省の弁を未だお聞きしていない。
自民党の‘’結党以来の党是‘’である「自主憲法の制定」は、与野党の‘’彼我の立場‘’の違いはあっても、政党としては与野党ともに、当然、研究済みでなければならない課題のはず。野党も、政権運営を担う自民党の責任政党としての、いわば‘’一丁目一番地‘’の政策である「憲法」に対し「改正の具体案」すら提示出来ないことは、深く不明を恥ずるべきであり、与野党共通のテーブルで3年間程度の期限付きでゴールを定め全力を挙げてやるべきであった。後継の菅内閣は、国民へ、まさに、コロナ災禍で迷走した印象を呈した。実直な菅総理は広報戦略の失敗とも言われているが、閣内に菅総理に‘’主役‘’を演じさせる環境を作りきれずに、強力な行政手腕を発揮する補佐官不在の‘’官邸主導政権‘’ゆえの退陣であった。菅内閣の目指す我が国の‘’国家像‘’を明確に国民へ示して欲しかったと惜しんでいる。
‘’容共の立憲‘’は、中国、ロシア、北朝鮮等、社会主義国家の内政、外交、防衛、教育、生活等の実態を知ってなお、そのリスクを日本国民に負わせようとするのか。党幹部は、あの悲惨で無惨な民主党政権時代の反省も毛頭ない。優秀で、健全な哲学を持っている政治家もいるが、‘’集団の〈愚〉に埋没‘’を余儀なくされている。
‘’維新と国民‘’は、今がチャンス。頭を柔軟にして新たな第三軸を作れないか。ここも政党運営は、依然として‘’旧来の野党‘’の政治スタイル。組織運営と政策提言に柔軟な思考と実践が求められる。全天候型の政策批判を脱し、政党としての‘’一丁目一番地‘’を全面に打ち出すことだ。政党としての‘’ミッション‘’と‘’コア.コンピタンス‘’を政治生命をかけて確立せよ。体制疲労は極限に達してはいるが、自民は野合の公明, 立憲は時代不適合の連合。では、国民と維新の支持母体は、どこなのか。自らの汗と足で誠実に‘’志‘’を語り、自らの力で支持母体を確保すべきと思うが如何だろうか。勇気を持って、良識ある国民の門戸を叩くべし。政治家は、どんなに綺麗事を並べても、自ら責任を取ることを前提に、真の理解者を作らない限り、良識ある「国民の‘‘信‘’」は得られないし政党支持も拡がらない。
また、期待される政治を国民は‘’座して待つ‘’無気力な現状で良いのだろうか。厳しさを増す内外情勢、地球崩壊の危機を迎えた環境問題、国際化という現実の中で見えてきた国内の社会システムの未整備、国家の基盤たる人口の‘’減少対策‘’の中途半端さ、世界の識者が括目する日本文化を背景にした日本人の国際化教育など優先すべき課題は多い。

さて、私たち人間の生命(いのち)は、その起源を地球誕生と同じくし、遥かなる地球創造のエネルギーによって、今尚、生かされている。この万物の根源たる〝生命〟は、‘’地球の営みの法則‘’と一体にして存在し、‘’自然が生み出す循環性‘’の中に育まれている。私たちは、この〝生〟を全うする中で、かけがえのない地球の生命、かけがえのない人間の生命、それらを支える〝かけがえのない〟「万物の生命」を次代に繋いでいく使命を果たしていきたい。 「人の存在」の本質は、「個」の存在を超え、「産み出す。育くむ。繋ぐ。」という〝生成の法則〟に従い「生命を紡ぐ」本質的行為、‘’集う、語る、動く‘’という本能的営みに帰結する。いわゆる‘’生きとし生けるもの‘’の「結び(産巣び)の世界」の現成である。これが、地球崩壊の危機にある環境汚染、人間の驕りに警鐘を鳴らしたコロナ災禍が投げかけた「根源的価値」の問いであったと思う。自然に恵まれ、それを精神文化にまで昇華して享受し続けて来た我が国日本においては、世界に先駆けて、それらの〝永遠の価値〝を未だ見ぬ未来へと繋いでいく責務がある。そして、宇宙の鼓動に耳を傾け、地球の波動を感じて生きる人間社会に戻していきたい。

私たちは、今、万古の扉を開けて、厳粛な‘’歳‘’を刻む。新年には、ブルネイダルサラーム王国の駐日大使を‘’再生資源プラント‘’視察のため川崎の日本環境設計に案内する。国家資源が、ガスとオイルしか持たない国ブルネイでは、‘’脱炭素社会‘’の到来の中で、何らかの制限による販売不振、再生エネルギーの台頭、地下資源の枯渇などで国家自体が立ち行かなくなる時が来ることも予想される。その際、それらのプラントをそのままに、「再生エネルギープラントへ転換」して、アジアのゴミを一手に捌く体制を作り、広く「アジアのゴミ買います」と呼びかけ、それを再生エネルギーにして輸出して行けば、国家は‘’ゴミ資源の再生産業‘’で蘇生することとなる。新たな‘’国家資源の誕生‘’である。時代は確実に動く。世界は劇的に変わるのである。

皆様とともに、この宇宙のこと、地球のこと、国家のありよう、地域づくり、人づくりなど、さまざまなことを共に考え、ともに解決していきたいと願う。ー ‘’志‘’正しければ「陰極は陽転する」。世の指導者たる人々は、時代を創り、社会を創り、人を創る責務を負う。暗雲漂うも、万人を常に希望に誘うべし。暗雲は干天の慈雨となり、風は雲を払い、太陽とともに万物を育てる。
私たちは、今こそ、自然に還りたい。自然に学びたい。人は、‘’自然の摂理に生かされている‘’ことに、改めて感謝したい。

令和四年元旦

一般社団法人 地域企業連合会

会長 小早川 明德

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